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ドライアイ

ドライアイとは

涙は、悲しい時や痛い時に出るだけでなく、常に少しずつ分泌され、眼の表面(角膜・結膜の表面)を常に薄い涙の膜でおおって保護し、栄養を与えています。

涙の層は、角・結膜側から順に粘液層、水層、油層の3層構造をとっています。

この涙が減って、眼の表面が乾いて、いろいろな症状を起こしてくる状態をドライアイといいます。

ドライアイという用語は、非常に軽度の人や涙の質的異常の人も含めて広く使用されています。

たとえば、傷がなくても眼が乾くという症状があればドライアイですし、涙の水分量は正常なのに短時間で蒸発してしまう場合(油層の形成が悪い場合)もドライアイです。

それに対して、涙液減少症は涙の量が実際に減少している場合に、乾性角結膜炎はそれに加えて何らかの傷がある場合に限定されて使用される用語です。

しかし、最近はすべてドライアイで総称するようになってきています。

ドライアイの原因

一般的には、涙液の分泌は年齢とともに低下してゆき、とくに女性のほうが乾きやすくなる傾向があります。

さらに、あとに述べるような環境要因が加わると容易にドライアイの状態になります。

このような軽いドライアイの人が大多数ですが、シェーグレン症候群という非常に重症のドライアイがあります。

この場合の原因は自己免疫といって、自分の唾液腺と涙腺を自分の免疫が攻撃し、破壊することによって生じます。

そのため、眼が乾くだけでなく、口も渇くというのが特徴で、また、関節リウマチなどの他の自己免疫疾患に合併してみられることもあります。

また兎眼でも、非常に重症のドライアイを起こします。

また、スティーブンス・ジョンソン症候群も後遺症として最重症のドライアイを起こし、強い角結膜の瘢痕性混濁を伴って著しく視力が低下し、眼疾患のなかでもとくに難治となります。

ドライアイの症状

眼が乾く、ころつくというような症状が一般的ですが、軽いタイプのドライアイでは充血する、眼が疲れるといった症状の場合もあります。

重症の場合は、視力も低下してきて、ころつきをとおり越して眼痛を訴えることもあります。

ドライアイに左右差はもちろんありますが、通常は両眼性です。

ドライアイの検査と診断

ドライアイでは、涙の分泌が低下しているかどうかをみる必要があります。

いくつかの方法がありますが、シルマー試験という方法が最も一般的です。

これは下の赤眼のところに帯状の濾紙をはさみ込んで、これが徐々に濡れてくる状態を測るやり方で、ドライアイではこの濾紙がしばらく待ってもあまり濡れてきません。

この検査を5分行い、濾紙が涙で濡れた長さをみて分泌低下の判定をしています。

また、眼の表面の傷をみるには、点状表層角膜症で述べたフルオレセイン染色で角膜の傷の状態をチェックしますが、結膜の傷はフルオレセインではわかりにくいので、ローズベンガルという赤い色素で染色します。

ドライアイの治療の方法

涙液の分泌を増やすのが理想で、内服治療薬も開発されてきましたが、残念ながら思うように治療効果がでないこともまだまだ多いのです。

そのため、外から人工涙液を点眼して補うか、あるいは、分泌された涙を眼の表面で長く保たせるようにします。

後者の方法としては、フードのついた眼鏡(ドライアイ眼鏡)をかけて涙の蒸発を減らす方法と、涙が鼻へ抜けていく通路をふさぐ方法(涙点プラグ)が行われています。

まぶたの内側の上下にある涙点というところが、その通路の入口にあたりますが、ここにお風呂の栓をするような形で涙点プラグというものを差し込むことによって、比較的簡単に通路をふさぐことが可能です。涙点プラグを入れることで、涙がより長い時間、眼の表面に留まりやすくなります。

ドライアイの注意点

ドライアイは、環境要因がその病状を非常に左右する病気です。

昔はあまり問題になっていなかったのに、最近の日本で爆発的に患者さんが増えているのもそのためです。

コンタクトレンズ、エアコン、コンピュータ作業はドライアイを助長する3大要因なので、症状がひどい時は、コンタクトレンズの装用をやめる、コンピュータの作業時間を減らすなどの注意が必要です。

また、エアコンの噴出する車の助手席には座らない、自分の部屋に加湿器を備えるなど周囲の環境を乾燥しにくいように調整することも重要です。

乾くからといって点眼薬を使いすぎると、そこに含まれている防腐剤によって角膜の表面が余計に傷んでしまうこともあります。決められた回数の点眼をしても症状の回復がない、あるいは悪化するようであれば、防腐剤を含んでいないものを使用することもあります。

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